アニメ

CGアニメ(コンピュータアニメーションを参照)とも呼ばれていた。
1990年代以降のコンピュータの高性能、低価格化、富士写真フイルム(現・富士フイルム)のセル(セル画)の生産中止、セル用専用塗料(アニメカラー)の調達問題などの要因によりデジタル化が急速に進展した。

注目ワード

アニメにおけるデジタル(CG/コンピュータグラフィックス)化

映像のデジタル化

3次元コンピュータグラフィックス(3DCG):ポリゴンで描写された3Dのオブジェクト。写実的では無く、セル画風のデフォルメが効いたトゥーンレンダリングが使用されることが多い。セルアニメ(2DCG)との合成に違和感を持たせなくする利点がある。
2次元コンピュータグラフィックス(2DCG):セルアニメの手法をデジタル化した物で基本的な根幹は同じであり、「仕上げ(色トレス、彩色)」をセル画では無くコンピュータで行なう「デジタル彩色」を示す場合も多い。

特殊効果(デジタル画像処理)

フォグに代表される映像への追加であり、一部の実写作品において使用されている技術である。マルチコアPCなどの高性能PC普及とともによりダイナミックな表現が低予算で行えるようになっている。
に分けられる。
1970年代後半〜1980年代前半にアナログコンピューターによるアニメーションシステムが登場している。非常に高価なシステムで、日本では東洋現像所(現:IMAGICA)が1台所有するのみであった。

歴史

1970年代前半、東映動画(現:東映アニメーション)で経営的に落ち込んでいたため、再建策の一つとしてアニメ制作工程へのコンピュータ導入が検討された。1974年、社内研究会の立ち上げ、1977年、技術委員会プロジェクトの発足[3]。IBMと提携しデジタル化の検討を重ねたが、1985年、シミュレーションの結果テレビシリーズ1話あたり、3,800万円(ハードウェア・ソフトウェアの費用のみ)という莫大なものとなることが判明し断念した。
1983年、金子満が設立した、日本初の商業CGスタジオJCGL(ジャパン・コンピューター・グラフィックス・ラボ)ではテレビアニメ作品として、動画や彩色の行程にコンピュータを取り入れた世界初のデジタルアニメ『子鹿物語』の制作を1983年に開始したが、当時のコンピュータの性能では生産性が低く、オープニング・エンディングと第2話を除き、セルアニメによる制作に移行している[5]。 その後、1983年から1984年にかけての『ゴルゴ13』や『SF新世紀レンズマン』では、特定のシーンのみ2DCGや3DCGで作成した描画をセルアニメと合成する形態で異次元の視覚効果を狙った演出が行われている。
本格的にアニメ制作のデジタル化が進められるのは1990年代に入ってからである。
1995年に全編3DCGによる『ビット・ザ・キューピッド』が先駆けとして登場した。なお、アーケードゲーム・テレビゲームでは既に全編3DCGのタイトルが制作されており、バーチャファイターやスーパードンキーコングがヒット作となっていた。
1996年、東映動画はセルシスが開発したアニメ制作ツール『RETAS! Pro』を導入し20%の経費節減に成功した[6]。同年、GONZOがLUNAR シルバースターストーリー(角川書店発売のゲーム)で日本初のフルデジタルアニメに挑戦。1997年に東映動画など複数の制作会社でセル画を使用しない全編デジタル彩色が導入されるようになる(→セル画を参照)。
1998年、同スタジオ制作のOVAシリーズ『青の6号』を発売。当時、珍しかった3DCGを多用したことでも注目され、OVA世界初のフルデジタルアニメとして宣伝された。

影響

撮影や特殊効果の分野は、セルを何枚も重ねることによる明るさの減少がないこと、より自由になったカメラワーク、コンピュータによるデジタル画像処理で特殊効果を簡単にかけられるという利点がある。エアブラシや透過光など従来技術から移行したため、アニメ業界ではデジタル技術の習得が必須となった。
アナログ時代にはフィルム撮影されていたが、デジタルアニメではコンピュータから直接ビデオへ出力の為、フィルム撮影が不要となりコストダウンがされている。フィルムとビデオでは映像の質感が異なり、アナログのフィルムは柔らかい質感、ビデオはクリアな映像が特徴である。そのため、ビデオ映像のデジタルアニメは初期において、従来のフィルムアニメより、クリアで明るすぎる発色に違和感があったりするといわれていたが、2007年以降は色の明るさが落と されてセルアニメを凌ぐ美しさを持つ作品もみられる。
仕上げの分野では、ワンクリックのデジタルペイントは、塗料の乾燥までの時間が節約でき、訂正も容易である。傷やホコリといったセル画の管理の手間も省けるなど、省力化で大量生産が可能になった。
塗料による制約された色数は、ほぼ無限のバリエーションが使えるようになり、グラデーションなどが、これまで以上の表現が可能になった。
物流面では、デジタル化によりネットワークにアニメ素材をデータとして載せることができ、日本国外などの遠隔地との物流コストと時間が節約できるようになった。
一方で、デジタル化による新たな問題、レンダリングの時間コストの増大化が発生している。アニメプロデューサーの上田耕行によると、今のテレビのクオリティを維持するのは大変だという。

関連トピック

デジタルコンテンツ