動画

静止画と対極の語であり、狭い定義では「動く画」、広い定義では時間軸に同期させた音声・音楽と共に提供されるメディアパッケージを指す場合もある。選択した静止画像を順次切り替える「スライドショー」「紙芝居」とは異なり、連続して変化する静止画を高速に切り替え続けると人間の視覚の錯覚として静止画が動いているように見えるファイ現象を利用した表現様式(メディア)である。
日本語における「動画」は、アニメーター・映像作家である政岡憲三がアニメーション(アニメ)の訳語として考案・提唱したものが最初とされているが、今日ではアニメーションのみにとどまらず、上記のような性質を持った表現様式も指す言葉として使用される場合がほとんどである。
英語の「movie」は「映画」と訳されるが、英語圏では「動画」(映像)のような意味合いで用いられる場合もある(例: movie file → 動画ファイル、など)

注目ワード

デジタル動画について

コンピュータで扱う際に必要な記憶容量を減らすため、情報の損失を起こさず情報量を減らす事を圧縮と言う。 その中でも、特に動画に対しては動画(あるいはそれを視聴する人間)の持つさまざまな性質・特性を踏まえた特別なアルゴリズムによる圧縮が行われる場合が多い。 その際に用いられる圧縮・展開(エンコード/デコード)を行うアルゴリズムプログラムのことを、特にコーデックと呼ぶ。
動画は多くの枚数の画像を連続的に扱わなければならず、ほとんどの動画は静止画と比べ、処理しなければならない情報量が圧倒的に大きい。また同時に、再生時においては多数の情報を(その本来の時間軸を損なう事なく)高速かつ連続的に処理を行うことも要求される。 そのため、動画の圧縮アルゴリズムの多くは静止画のそれとは異なる圧縮技術、あるいは既存の圧縮技術にさらに他の圧縮技術を組み合わせた形で構成されている。
一般に静止画の圧縮は空間方向のみを考慮すれば良いが、動画圧縮の場合はそこに加え時間方向の情報も考慮した圧縮が行なわれる場合が多い(MPEGなど) 但し、これらのアルゴリズムはラスタ画像を扱うことを前提としており、Flashムービー(.SWF)などで用いられるベクタ画像などには当てはまらない。

MPEG2

ビデオ、オーディオの他、システム等についても規格化されている。また、様々なメディアでの利用を想定して、複数の解像度、圧縮率がある。なお、復号方式のみが定められており、符号化方式について規格化されていない。よって規格に沿った結果が得られるのであれば、符号化の手順はどのようにしてもよい事になっている。
基本的にMPEG-1との下位互換性は無い(MPEG-2の再生装置でMPEG-1の再生は出来るがその逆ではできない)。
なお、元々標準テレビ放送(SDTV)向けにMPEG-2、高精細度テレビジョン放送 (HDTV)向けにMPEG-3が策定される予定であったが、両者は基本技術が同じであったため、最終的にはMPEG-3がMPEG-2に吸収・統合されることが決定し、MPEG-3規格は欠番となっている。現在では標準テレビからHDTVに至るまでMPEG-2が幅広く利用されている。 求められるデータ転送速度は再生時に動画と音声合わせて4〜15Mbps程度となっており、画質はS-VHSのビデオ程度とされる(出力解像度はまた異なる)。

MPEG4

MPEG-1ではビデオCD、MPEG-2では放送やHDTVでの使用を想定しているのに対して、MPEG-4では低ビットレートでの使用にまで用途を拡大することを目標として規格化が開始された。符号化技術としては先に規格化が進んでいたH.263を基に幾つかのツールを追加した構成になっている。H.263との相違点は、フレーム間予測におけるBフレームの採用、DCT係数のAC/DC予測の導入、などが挙げられる。
このビジュアル技術自体も、エラー耐性技術のほか、任意形状技術やスプライト符号化技術、顔画像の動きを符号化するフェース(Face)符号化技術、スケーラビリティ技術などを盛り込んだ巨大なものであったが、現在ではエラー耐性技術のほかは殆ど使用されていない。
圧縮アルゴリズムの基本原理は、MPEG-1、MPEG-2、H.263などと基本的には同様であり、空間変換やフレーム間予測、量子化、エントロピー符号化を採用している。

空間変換

MPEG-4では、空間変換に離散コサイン変換が用いられる。8×8画素のブロックを単位として、原画像もしくはフレーム間予測の予測誤差画像のDCT係数を求め、その係数を量子化している。

フレーム間予測

フレーム間予測において参照フレームとして指定できるフレームは、Iフレーム, Pフレーム、Bフレームが存在する。Pフレームでは時間軸で前方のフレーム1枚の画像を利用して符号化を行うが、Bフレームでは前方・後方2枚の画像を利用して符号化を行う。

1/4画素精度動き補償

動き補償の精度としては1/2画素精度まで基本的に利用可能である。MPEG-4 ASP(Advanced Simple Profile)では、1/4画素精度動き補償も採用している。

AC/DC予測

空間変換で得られたDCT係数に対して、さらに係数の最上列ないし最左列の係数から予測を行って情報量を削減する技術が導入されている。
DC予測とは、隣接した「左MBと左上MBのDC成分の変化量」と「左上MBと上MBのDC成分の変化量」を比較して、より傾きの小さい方向から現在のMBのDC成分を予測する手法である。この方法を用いることによって、相関の高い画素からの予測を行うことが可能であるため、圧縮率の向上が期待できる。
AC予測とは、フレーム間予測を用いずに符号化される画素ブロックについて、単純に離散コサイン変換(DCT)の係数を量子化して符号化するのではなく、DCT係数行列のうち最上列ないし最左行の値について、上ないし左の隣接ブロックの値との差分を符号化することによって符号量を削減する方式である。予測の方向の決定については、DC予測での予測方向に従う。 この予測方式は、後にH.263でもAnnex Iとして採用された。
DC予測は必ず使用しなければならず、AC予測は使用有無をヘッダで切り替えることが可能である。

エントロピー符号化

ハフマン符号をベースとした可変長符号化(VLC; Variable Length Coding)が採用されている。

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